脳には、毒物などがむやみに入るのを防ぐために、「脳関門」という関所があり、この脳関門を通過しやすい栄養素と、通過しにくいものがあります。
卵黄のコリンは、大豆の3倍近くも含まれている上に、食品の中で最も脳内に吸収されやすいというメリットを持っています。

 さらに、研究の結果、卵黄のコリンをビタミンB12と組み合わせて摂ると、痴呆症の改善に一層効果を発揮することがわかりました。
 たまごには、コリンがふんだんな上に、ビタミンB12も含まれています。

 老人性痴呆症には、大きく分けて、「血管性痴呆」と「アルツハイマー型痴呆」があります。

血管性痴呆は、脳血栓や脳梗塞などによる脳の病気で起こるもので、血液が固まりやすくなることが原因といわれています。比較的軽い痴呆症状が続くことが多いです。

アルツハイマー型痴呆は、まだ原因が特定されていませんが、大脳の神経細胞が広範囲に脱落し、脳全体が萎縮し、神経伝達物質である「アセチルコリン」が著しく減少するのが特徴です。アセチルコリンの不足は、徐々に知的機能・精神機能がくずれていく、主原因といわれています。

 現在、老人性痴呆の確実な治療法はありませんが、たまごのコリンによる予防と改善について、研究は着実に進んでおり、大いに期待がもてるところです。

 元気で若々しい脳を保つには、たまごを食べる習慣をつける必要があるようですね。